渓流茶番劇・・・なのだ。

むむ！

そこに居るのは何ヤツ！？

隠れてもムダであるぞ、こっちに来て面をあげぬか！



「ギクッ！あっしのことでやんすか・・・」



オラの車にお代も払わず、ちゃっかり乗り込もうとは不届き千万！

神妙にお縄を頂戴するのだ！


「も、申し訳ございません、ほんの出来心でやんす・・・実は、餌取り場を女郎蜘蛛に乗っ取られ、隣町まで行って新鮮なハエを妻と子どもに食わせたいと思ったのでやんす・・・ひらに・・・ひらにお許しを～」



お主、初めて見る顔であるな・・・

ならば初犯ゆえ、今日の所は勘弁してやるぞ。

女房子供を悲しませるでない、もう行ってよろしい。



「はは～、ありがたきお言葉、このカマ吉、ご恩は一生忘れないでやんす・・・」

「ところでお代官様・・・お礼と言っちゃ～なんですが、いい情報があるのでやんすがね・・・」



なんだ、申してみよ・・・

「いえね、例の川のあのプールに新鮮なハエを求めてとびきりめんこい町娘がフラフラしてるそうでやんすよ・・・」

何！それはまことか！？

お主、嘘を申すとただでは済まぬぞ！

「嘘なんかじゃないでやんす、お代官様の持ってる乾いた偽物のハエを見せればイチコロでやんすよ。」

ほほ～、退屈の虫が疼いてならぬ・・・それではちょっと行って遊んでくるかの・・・田舎料理もたまには美味かろうの～。

お主も・・・好き者であるな。

「いえいえ、お代官様こそ・・・ひっひっひ」





と、言うわけでやってきたのだ！（なんじゃ、この茶番は・・・）



お～、カマ吉の言う通り、めんこい娘がフラフラ居るのだす。

ほれ、くるしゅうない、ちこう寄るのだ。

お代官様、お戯れを！あ～れ～！



お～。色白の肌のめんこい尺おなごなのだす！



良いではないか、良いではないか・・・こっちに来るのだ・・・

嗚呼、お代官様、ご無体な・・・



しか～し、そんなエロ代官にもバチが当たったのだ・・・

背中にあるはずの物が無くなっとる～！

オラのランディングネットが島流しの刑になってしまったのだよ・・・

は～・・・今頃海まで流れてったのかね～・・・